フリマアプリ(C2C)
山田進太郎は前の会社を売り、世界を回って帰ってきた二〇一三年にメルカリを作りました。旅先の新興国で見たスマホの波が動機だったと語っています。一九九九年のヤフオクが「パソコンでオークション」なら、メルカリは「スマホで、いますぐ定価の出品」。写真を撮って値段をつけるまで数十秒、二〇一五年からは互いの住所を知らせない匿名配送を載せて、個人間の売買から「知らない人が怖い」を抜きました。いまや月二二〇〇万人超が使います。面白いのは一次流通への逆流です——新品の服を買う人の六五%が「あとで売ること」を考えて選ぶという調査があります。値札の向こうに転売価格が透けて見える時代が、静かに来ていました。米国展開は苦戦が続き、創業者自らが立て直しに入っています——成功譚にはまだ早い、と正直に書いておきます。世界ではアリババの閑魚が五億人、リトアニア発のVintedが一億人。個人の持ち物という眠っていた在庫が、いちばん大きな商品棚になりつつあります。