フランチャイズ
フランチャイズを発明したのは、7歳で奉公に出された女性です。マーサ・マチルダ・ハーパーはカナダからニューヨーク州へ移り、住み込みの家事使用人として働きながら育毛剤を作りました。1888年、貯めた360ドルで美容サロンを開きます。1891年、姉妹が別の街に出した支店——これが最初のフランチャイズ店とされます。そして彼女は、加盟者に元使用人の女性たちを選びました。自分と同じ場所にいた人たちが、自分の店を持てるようにするための仕組みとして、フランチャイズを設計したのです。40年で世界500店を超えました。いまの「フランチャイズ=資本のある人のもの」というイメージとは、出発点が真逆です。日本の「のれん分け」とよく似た形が、海の向こうでは契約とロイヤリティの産業になりました。
神話の訂正
フランチャイズは1851年にシンガーミシンが発明した
いまも業界で語られる起源譚ですが、シンガーがしていたのは地域限定の販売代理店契約で、製造もブランドも価格も本社が握ったままでした。事業の仕組みごと丸ごと貸す形とは別のものです。本当の最初は1891年、マーサ・マチルダ・ハーパーの美容サロン。ついでにもうひとつ——マクドナルドの「創業者」レイ・クロックも発明者ではなく、兄弟から権利を得た代理人でした。