モノを売る
品物を渡し、代金を受け取る。いちばん分かりやすい商いの川です。行商、市、店、カタログ、スーパー、EC——形を変えながら、この川は一度も涸れていません。学術的には「商品交換」と呼ばれる系譜で、この地図は読みやすさのために一般語を使っています。人類学者クリストファー・グレゴリーは、贈与の経済では「誰を何と呼ぶか(親族の呼称)」が、商品の経済では「いくらと値をつけるか(価格)」に当たると書きました。呼び方そのものが取引のルールになっている、ということです。ただし歴史を泳ぐと気づきます。強い商いはたいてい、この川だけでは流れていない——もう一本の川(約束)と撚り合わさったときに、型は発明されてきました。