引札開店や売り出しを知らせる、江戸から明治の広告チラシ。恵比寿や宝船のめでたい絵に店の名前が刷り込まれ、正月に配られました。最初期の例は1683年、越後屋が駿河町移転で配った摺物です——ただし当時「引札」という言葉はまだ無く、この呼び名が定着したのは約140年後の文政期。語源も「客を引く」ではなく、古語の「引く=配る」。元祖のチラシは、引札とすら呼ばれていませんでした。あとから付いた名前が元祖の呼び名を塗り替える——名前の歴史は、この地図のあちこちで反復します。