一子相伝の技術資本
金剛組の創業は578年——聖徳太子が百済から招いた工匠のひとり金剛重光が四天王寺を建てるために、というのが社伝です。四天王寺造営の同時代史料に彼の名は確認できていないので、この地図は「社伝」と書きます。ちなみに「ギネス世界記録の世界最古」とよく言われますが、ギネスが認定しているのは西山温泉慶雲館(705年創業伝承の宿)のほうで、金剛組の「世界最古の企業」は内閣府の研究所の資料(2009年)が出どころです。そして続き方も、美談だけでは書けません。2005年に髙松建設が全額出資で新会社をつくり、翌年1月に営業を譲り受けました。残された旧会社は社名を変え、2006年8月、法人格が消滅しています。1400年続いたのは技術と屋号で、資本と家系はここで途切れました。——それでも宮大工たちは、いまも同じ名前で寺を建てています。何が続けば「続いた」と言えるのか。この帯は、その問いのために置いてあります。