QRコード決済
QRコードは日本の発明です。一九九四年、デンソーウェーブの原昌宏がわずか二人のチームで作り、会社は特許を持ったまま「規格化されたQRコードには権利を行使しない」と宣言して無償で開放しました。より多くの人に使ってもらいたい、と。この地図には「特許が切れて業界が爆発する」型がふたつあります(替刃と回転寿司)。QRはその逆です——発明者が自分から手を開き、だから世界標準になりました。決済に化けたのは中国です。二〇一一年にAlipayが、二〇一三年にWeChat Payが載せ、クレジットカードがほぼ普及しないままの市場は、現金からいきなりQRへ跳びました。モバイル決済の総額は二〇一四年の二二・六兆元から三年で二〇二・九兆元へ。日本では二〇一八年、PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」が十日で上限に達して幕を閉じ(二十日と記憶されがちですが、公式発表は十日です)、QRの風景を一気に日常へ変えました。インドのUPIとブラジルのPixは、同じ仕組みを国家が公共インフラとして作った型——民間主導の日中とは、設計思想が対照的です。